本屋で平積みになっていたのを買ってみたのですが、結構勉強になりました。
著者の山田修さんは、外資4社、日本企業2社の社長を歴任し、「企業再生経営者」と評された人だそうです。
内容は、主に海外から輸入されたコンサルティング手法を精査して、本当に役に立つものはコレ!と判定するものですが、非常にすっきりしていて面白かったです。有名なフレームワークを「役に立たん!」とバッサバッサと一刀両断していくところは、何だか爽快(笑)。以下に一部引用します。
◆SWOT分析(以下引用)
「経営戦略策定の立場から言うと、SWOT分析は有効なものとは言い難いのです。〜(中略)〜このフレームワークはコンサルタントがクライアント企業に乗り込んで、したり顔に展開する技法だと思いませんか?」
◆PEST分析(以下引用)
「日本でも上場している大企業などは、事業計画をPEST分析から始めるところがあります。まあ、それは経営企画室のメンバーがそのように仕込まれていたり、申し送りされているからそうしているのでしょう。書いている本人がどれだけ、このフレームワークの実効性を信じているか、大いに疑問」
◆5F分析(以下引用)
「新しく起業するとか、多角化によりどんな産業分野に進出すればよいかなどを考える時に有効 〜(中略)〜要素をいたずらに網羅しようとしたフレームワーク」
◆ブルーオーシャン戦略
「私に言わせればブルー・オーシャン戦略というのは初めから論理破綻したセオリーです。当社が実現できるようなことは、同業の競合ができないことはありません。 〜(中略)〜 一社だけの抜け駆け的な西欧などなかなかあり得ないのが厳しい現実社会なのです」
いやはや、バッサリ切っていますね〜(笑)。
私自身は山田さんの主張に全面的に賛成というわけではありませんが、非常に面白く、示唆に富んだ本だと思います。
また、他のフレームワークを否定するだけではなく、ご自身の「戦略カード」という手法もきっちり書かれているので大変参考になります。
「コンサルタントにいろいろ言われたんだけど、何か実感が湧かないんだよ」という経営者の方は一度読んでみてはいかがでしょうか? 頭がすっきりすると思いますよ〜